やさしさ定食


 

今日は、とびきり寒かった。

さむいさむいと呟きながら家路へ急ぐ。
なによりも、お腹がへりすぎてたまらない。
今日のご飯はなんだろう?
 

玄関を開ければ、おいしそうなにおいがする。一目散に、台所へ駆け込んだ。
ばあちゃんの小さな背中の隣で、白い湯気がふわりと揺れる。

お腹が減ったと騒ぐわたしに
今日は、鯛を煮たよ。と、言うから手元をのぞく。

こっくりと煮られた飴色の鯛の煮付けと、小鍋で光る白味噌の豆腐のお味噌汁。
母特製のかぶときゅうりのぬか漬けに、色鮮やかなアスパラ、にんじん、ピーマンのきんぴら。
たまらず、おなかがぐうと鳴る。

小鉢へよそい、食卓へ並べた。
炊飯器を開ければ、つやつやとした白米がまぶしい。
今日の夕飯は、わたしのすきなものばかりだ。
ようやく、仕事のスイッチが切れる。これぞ、我が家のやさしさ定食。
 


 
ふう。と、一息。また、明日も頑張ろう。
こんなに寒くて、いつも以上に疲れた日は特に、からだをいたわる何かが欲しい。
「サラダにかけるハタ乳酸菌」を右手にとる。小袋を開けて、きんぴらにふりかける。

せっかくだからと、ばあちゃんのきんぴらにもふりかける。
 


 
歌うことが好きな八十二歳。生粋のばあちゃん子なわたしにとって、体を担う腸の健康は欠かせない。
おいしくなーれ!元気でいてね。
と、心で念じて
いただきまーす!

勢い良く、口にいれれば
あーおいしい。
きんぴらも、鯛の煮付けも漬物も味噌汁も、今のわたしにしみいる味。
明日も元気でいれますように。

わたしのご飯は、いつだって誰かのやさしさでできている。

 


 

舞子 maiko

 
からだとこころにとびきりよく効く
おいしいごはんしか食べたくない!
そんな野望にあふれながらも、らくちんなレシピが大好き。
そんな愛あるくいしんぼう
MAIKOSHOKUDOのレシピエッセイです。
季節ごとに気まぐれに、ごはん教室も開催中。
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