目の前にあるのは、涼しげな二色の葛寒天。
口元にするすると運ばれる、和菓子が美味しくてたまらない。
縁側で庭を見ながら、ばあちゃんと二人で今日のおやつを食べている。
ことの始まりは、これ、お友達にいただいたよ。
と、ばあちゃんが持ってきてくれた葛寒天。
パッケージを開けて、掬い取るように一口食べた。
ぷるんと揺れて、ほんのりと甘い。
甘くないきな粉をかけたらもっと美味しいだろうな。黒蜜もかけてみよう。
そして、きな粉にサラダにかけるハタ乳酸菌を混ぜることを思いつく。
混ぜようとすれば、そのまま食べてみたい。
と、ばあちゃんが言うので、一緒に食べてみた。
とうもろこしみたいな味がするね。美味しい。
と、答えるばあちゃん。食いしん坊な82歳。
そうかな?なんか香ばしい感じはするね。
昔、食べていたビール酵母よりも酸味がないから食べやすい。
サラダにかけるハタ乳酸菌はとにかく粒子が細かい。
まるで、乳白色の粉砂糖のような出で立ちだ。
きな粉に振り入れるとするすると混ざり、あっという間にさらに香ばしいきな粉ができた。
葛寒天をそっと切り分ける。
こないだ片付け時に出てきたばかりの、ガラス食器を使いたい。
スプーンも、発見されたレトロな紅い物を添えてみよう。
二色になるように盛り付けて、香ばしいきな粉と黒蜜をかけた。
いただきもののシンプルな葛寒天が、あっという間に高級風デザートに早変わり。見た目も味も、私好みの今日のおやつ。
可愛い、おいしそう。と、二人ではしゃぐ。
そして、縁側へ運んでおやつ時間がやってきた。
今日は、晴天。あっという間に春は通り過ぎ、もうすぐ夏がくる。
庭のむこうで、涼やかに鳥が鳴いた。
おいしい?ときいたら
おいしいおいしい。わたしももっとキレイになれるかしら。
まあるい顔をしわしわさせて、ばあちゃんがにこにこと笑った。

からだとこころにとびきりよく効く
おいしいごはんしか食べたくない!
そんな野望にあふれながらも、らくちんなレシピが大好き。
そんな愛あるくいしんぼう
MAIKOSHOKUDOのレシピエッセイです。
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