緊急事態宣言が解除され、日常が戻り始めたのも束の間に、とめどない雨に風に、蔓延し始めたウイルスに、心も体もおもたくなる。
雨の日続きで、買い物に行くのも億劫である。
いつも以上に、甘いものがほしくなる。
どこかで体のリズムを切り替えなきゃ。と思っていた矢先に、里山育ちの赤しそをいただいた。
そうだ。久しぶりにしそジュース作ってみよう!
と、作ることにした。
材料は、しそ、砂糖、酢。
レシピの手順を追いながら、砂糖の量に改めてびっくりする。
しそと同量と書いてあるけれど、
今、わたしのからだこんなに砂糖は欲していない。
どうしよう?と考えて、冷蔵庫の甘酒を思い出す。
江戸時代には、砂糖の代わりに使われていた甘酒。栄養価も十分。
なにより、発酵食品は素材の旨みを引きだす、頼もしい万能調味料。
しそにもきっと合うはずだ。
沸騰したお湯に、しそをひとつかみポンと入れ、鮮やかな紫色が煮出されたら、ざるにあげる。
青々とした紫色の煮汁に、小さじ一ほどのぶどう酢をたらしたら、赤紫色に早上がり。
冷めるのを待って甘酒とまぜてみた。
かわいい薄紅色の乳酸ドリンクができあがる。ぺろりとなめる。
ああ。おいしい。甘みと酸味がちょうどいい。
ばあちゃんが味見をすると言うので渡してみれば、
カルピスみたいで美味しいねえ。と、ごくごく飲んだ。
最近便秘だと言う家族の分に、サラダにかけるハタ乳酸菌を混ぜ入れる。
そして、もっとすっきりのみたいな。と、炭酸水を割り入れた。
一口飲めば、夏の里山の薫りがからだに満ちる。
わたしは、すこし元気になった。
少し前の晴れた里山を思い出す。
梅雨はあける。雨はやむ。
今後も何が起きるかはわからないけれど、
からだに美味しいものを、目には美しいものをとどめていたいなあ。
と、思う。

からだとこころにとびきりよく効く
おいしいごはんしか食べたくない!
そんな野望にあふれながらも、らくちんなレシピが大好き。
そんな愛あるくいしんぼう
MAIKOSHOKUDOのレシピエッセイです。
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